SATO Wataru Laboratory

上側頭溝の視線に対する活動の時間特性:fMRI+MEG研究


(Sato, W., Kochiyama, T., Uono, S. & Yoshikawa, S.: Soc Cogn Affect Neurosci)



ヒトの上側頭溝(STS)は,視線の処理に関与するとされる.
しかし,その時間特性は不明である.

この問題を,4人の健常被験者を対象としてfMRI+MEGで調べた.
視線がそれたあるいはまっすぐな顔写真を呈示し,被験者は受動的注視した.



まず,fMRIで脳領域を同定した.
グループ解析および個人解析で,STSがそれた視線に対してまっすぐな視線よりも高く活動することが示された.

続いて,MEGを計測し3Dスペーシャルフィルタ解析した.
STSは,刺激呈示後150-200msの区間(ピークは約170ms)で, それた視線に対してまっすぐな視線よりも高く活動した.



それに対し,紡錘状回(fMRIで刺激提示の主効果として同定)では,約170msのピークにおいて,それた視線とまっすぐな視線に対して同程度の活動が示された.



こうした結果から,ヒトのSTSが他者の視線をすばやく処理することが示される.





最近の研究にもどる
メインにもどる