SATO Wataru Laboratory

顔と風景の再認記憶


(Sato & Yoshikawa: J Gen Psychol)


先行研究は,顔の記憶が特殊であることを示唆する.
しかし,知見は必ずしも一致していない.

この問題を検討するため,未知の顔と風景の再認記憶を調べた.
被験者は刺激を意図的に記憶し,短期(20分)と長期(3週間)の2つの保持期間後に再認テストを受けた.
符号化方略と知能も調べられた.

再認記憶の成績は,短期・長期どちらの保持期間条件においても,顔のほうが風景よりも高かった.
ただ,保持期間の効果は,顔と風景で異なった.
符号化方略と記憶成績の関係は,風景でのみ示された.
知能と記憶成績の関係は,顔と風景で異なった.





こうした結果は,顔の記憶が,風景の記憶と比較して,より堅固でかつ異なる認知メカニズムを用いることを示唆する.



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