SATO Wataru Laboratory

食物検出における文化差


(Sato, Rymarczyk, Minemoto, & Hyniewska: Sci Rep)


食物を検出する能力は,我々の生存と幸福において重要な役割を果たしている.
先行の心理学研究は,食物の検出が非食物刺激より早いことを報告した.
しかし,食物の検出が文化的要因により調整されるかどうかは不明である.

我々はこの問題を,ポーランドと日本の被験者を対象とした視覚探索課題で検討した.
文化普遍的なファーストフード,文化特異的な日本食,統制刺激である台所用具の画像が,妨害刺激である車の画像の中に呈示された.
被験者は,すべての画像が同じかどうかをボタン押しで回答した.



反応時間の結果,どちらの文化の被験者も,食物の画像を台所用具の画像より早く検出した.
日本の被験者はファーストフードを日本食よりも早く検出したが,ポーランドの被験者はそうした食物のタイプによる差を示さなかった.



こうした結果から,食物の素早い検出は普遍的であるが,文化的経験により調整されることが示唆される.


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