SATO Wataru Laboratory
感情センシングのための顔熱画像ピクセル解析の開発
(Tang, Sato, Shimokawa, Hsu, & Kochiyama: Comput Hum Behav Rep)
熱画像技術は,非接触かつ非侵襲な特性から,感情センシングにおいて独自の利点を有する.
先行研究から,鼻尖の温度低下と動的な主観的活性度との対応が報告されている.
しかしこれらの研究は,関心領域のみ解析して顔全体の包括的な解析をしておらず,熱変化の時間的動態を考慮していなかった.
これらの限界を克服するため,機能的脳画像解析のために開発されたSPMを用いた顔熱画像解析手法を提案する.
顔熱画像の有効な位置補正と標準化を実現するため,半自動化された前処理プロトコルを開発した.
解析の有効性を検証するため,参加者が感情的な映画を視聴中の顔熱画像を撮影し,動的な感情価と活性度の評定値を測定した.

提案したSPM解析は,鼻尖と前額において動的活性度との負の対応を示した.
時間的遅延を考慮した解析は,時間的遅延を仮定しない解析と比較して,前額でより広いクラスターを検出した.

これらの結果から,SPMを用いた顔熱画像ピクセル解析の有効性が示される.
コンピュータ化された顔熱画像ピクセル解析が感情状態の動的推定に活用可能であり,精神疾患の診断やマーケティング研究など多様な分野に応用できる可能性が示唆される.
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