SATO Wataru Laboratory

ヒトとアンドロイドの動的表情における布置処理の違い


(Diel, Sato, Hsu, & Minato: Sci Rep)


ヒトそっくりのアンドロイドは,社会状況や実験研究において社会的エージェントとして機能することができる.
一部のアンドロイドは感情表情を模倣することができるが,その表情がヒトの表情処理で利用されるのと同じ処理メカニズム(例えば布置処理)を利用しているかどうかは不明である.
本研究では,アンドロイドとヒトの動的な感情表情において,布置操作としての倒立と相貌特徴の非同期の効果を比較した.

75名の参加者が,直立または倒立で呈示される,相貌変化が同期したまたは非同期した,アンドロイドまたはヒトの動的表情について,怒りと喜びの感情認識および感情価と活性度の評価を行った.



動的表情における非同期性は,ヒトの表情においてすべての評価を低下させたが(怒り表情における感情価を除いて),アンドロイド表情には影響しなかった.
倒立呈示は,エージェントの種類にかかわらずどの評価にも影響を与えなかった.



こうした結果から,ヒトの動的表情は相貌の同期に基づく布置処理がされるが,アンドロイドではそうした処理がされないことが示唆される.


最近の研究にもどる
メインにもどる