SATO Wataru Laboratory
アンドロイドは複雑感情の表情を表出できる
(Diel, Sato, Hsu, Bauerle, Teufel, & Minato: Sci Rep)
ヒトとロボットの相互作用には,信頼とラポールが不可欠である.
そのためには,ロボットの顔に感情表現を作り出すことが効果的である.
アンドロイドはヒトのような基本感情の表情を表出できる.
しかし,アンドロイドが複雑な感情の表情を表出できるかどうかは不明であった.
本実験では,アンドロイド「ニコラ」が複雑感情を表す22の動的表情を表出する能力を調査した.
各ビデオについて,240人の参加者(日本人120人,ドイツ人120人)が,ニコラが表出した感情を評価した.
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13の複雑感情(娯楽amusement・ぞっとするappal・畏怖awe・退屈boredom・満足contentment・はにかみcoyness・憎悪hatred・ためらいhesitation・道徳的嫌悪moral disgust・拒絶not face・痛みpain・眠いsleepiness・疑心suspicion)について,両サンプルの参加者は,対象感情を他の非対象感情の平均よりも高く評価した.
片方のサンプルでは,4つの感情(恨みbitterness・混乱confusion・誇りpride・安堵relief)が平均を上回った.
これらの感情のうち12個については,対象感情が最上位にランクされた.
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こうした結果から,アンドロイドが幅広い複雑感情の表情を表出でき,ヒトとロボットの相互作用を促進できることが示唆される.
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