SATO Wataru Laboratory
ライブ相互作用におけるミラーニューロンネットワークの強い活動と機能結合
(Hsu, Sato, Kochiyama, Nakai, Asano, Abe, & Yoshikawa: Neuroimage)
ヒトの日常的コミュニケーションにおいて表情は不可欠である．
表情処理を研究するこれまでの脳画像研究では，事前に記録された刺激が呈示され，ライブでの社会的相互作用は調べられてこなかった．
本研究では，ライブの動的表情あるいは事前録画した動的表情ビデオを，参加者に呈示した．
fMRIと表情筋筋電図を同時計測し，スキャン後に感情価と活性度の評定を査定した．
ライブ表情は，主観的な感情価と活性度の評定を高め，表情筋の反応も高めた．
ライブ表情は，右後方上側頭溝（pSTS），右下前頭回（IFG），右扁桃体，右紡錘状回のより強い活動を喚起し，右ミラーニューロンシステム（IFG，pSTS，右下頭頂小葉）内の因果的結合を調整した．
サポートベクターマシン解析は，メンタライジングネットワーク（前帯状皮質および後帯状皮質）におけるマルチボクセル活性化パタンでライブとビデオの表情を判別することができた．
これらの結果から，ライブ相互作用が右ミラーニューロンシステムの活動と機能結合を調節し，表情模倣と感情伝染を促進することが示される．
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