SATO Wataru Laboratory
自動顔面動作符号化による表情模倣の検出の筋電図による検証
(Hsu & Sato: Sensors)
表情模倣を評価するうえで筋電図(EMG)は依然として標準的指標であるが,有効性を示す証拠がないにもかかわらず研究者は自動顔面動作符号化システム(FACS)を用い始めている.
我々は,大頬骨筋(ZM)の筋電図を規準として,自動FACSのアクションユニット12(AU12:口角を引く動作)による表情模倣の検出を評価した.
参加者は,ライブの動的表情と録画された動的表情を呈示され,同時にZM信号と顔面のビデオ映像が計測された.
ビデオからFaceReader・Py-Feat・OpenFaceを用いてAU12が推定された.
自動FACSは筋電図よりも感度が低く正確性に欠けるが,AU12の表情模倣反応はZM反応と有意な相関があった.
3つのソフトウェアプログラムはすべて,ライブ表情による表情模倣の促進を検出した.
AU12の時系列は,ZMに対しておよそ100〜300msの潜時を示した.
こうした結果から,自動FACSは表情筋筋電図に取って代わることはできないが,大きな効果を検出する目的には役立つ可能性が示唆される.
研究者は,特に臨床群を研究する場合には,自動FACSの出力に注意すべきである.
さらに開発者は,AU推定のEMGによる検証を考慮すべきである.
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