SATO Wataru Laboratory
表情筋筋電図を用いた主観感情動態センシングのための解釈可能な機械学習モデリング
(Kawamura, Sato, Shimokawa, Fujita, & Kawanishi: Sensors)
主観感情体験と生理的信号との関連を理解することは,実用的かつ理論的に重要である.
これまでの生理心理学的研究では,動的な感情価評定と表情筋筋電図(EMG)活動との間に線形の関係があることが示されてきた.
しかし,主観感情価の動態が表情筋EMGと非線形に関係するかどうか,またどのように関係するかは,不明である.
この問題を検討するため我々は,50人の参加者を対象として感情的な映画クリップを視聴中の動的感情価評定と皺眉筋と大頬骨筋のEMGを測定した2つの先行研究のデータを再分析した.
線形重回帰分析と2つの非線形機械学習(ML)モデル(ランダムフォレストと長期短期記憶)を用いた.
交差検証において,これらのMLモデルは平均二乗誤差と相関係数の点で線形重回帰分析を上回った.
ランダムフォレストモデルに解釈ツールを適用した結果,いくつかのEMG特徴と感情価動態との間に非線形かつ相互作用的な関連があることが明らかになった.
これらの知見から,非線形MLモデルが,従来の線形モデルよりも主観感情価動態と表情筋EMGとの関係をよりよくモデル化でき,非線形で複雑な関係を明らかにできることが示唆される.
この発見は表情筋EMGを用いた感情センシングを促し,主観生理相関についての洞察を提供する.
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