SATO Wataru Laboratory
被殻の体積が健常群の強迫性傾向と相関する
(Kubota, Sato, Kochiyama, Uono, Yoshimura, Sawada, Sakihama, & Toichi: Psychiatry Res Neuroimaging)
強迫性は健常群でも頻繁に見られる.
しかし,その神経基盤は不明である.
近年の知見は,強迫性に被殻が関係する可能性を示唆する.
この問題を検討するため,49名の健常群を対象として,MRI画像を撮像して質問紙で強迫性を査定した.
MRI画像からの輪郭抽出により被殻の全体体積と局所形態を算出した.
他の線条体構造も探索的に調べた.
強迫性と被殻の全体体積・局所形態の関係を,性別・年齢・状態不安・特性不安・知能の影響を共変量として除外して,調べた.
全体体積の解析の結果,強迫性の合計得点と両側被殻体積の間に正の関係が示された.
局所形態の結果,強迫性の合計得点と両側被殻の前方部の増大が関係することが示された.
本研究は,健常群における強迫性傾向が被殻構造と関係することを初めて明らかにした.
皮質-線条体ネットワークの問題が健常群の強迫性傾向の基盤にあることが示唆される.
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