SATO Wataru Laboratory
映像刺激環境における心理状態と生理指標との相関モデルの研究
(中村透・山本松樹・佐藤弥：生体医工学)
本研究では，視覚刺激環境における心理状態を生理指標によってモデル化できるかを検討した．
視覚刺激として，多様な感情を喚起するフィルム映像を呈示した．
まず，映像刺激について，SD法に基づく心理評価を実施した．
心理評価に対する主成分分析の結果，従来研究で報告されている，快適と覚醒の次元と解釈できる2つの主成分を確認した．
次に，映像刺激中の心理量と生理量を計測した．
生理量として，中枢系（脳波（EEG）・近赤外分光法（NIRS））と末梢系（心拍（HR）・皮膚電位水準（SPL）・呼吸・皮膚温度・脈波・瞬目）を計測した．
ステップワイズ法に基づいて重回帰分析を実施した結果，快適感がEEG・NIRS・HRに基づく生理指標で説明でき，覚醒感がEEG・SPLに基づく生理指標で説明できることを示した．
以上の結果より，映像刺激環境における心理状態を生理指標によってモデル化できることが示唆される．
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