SATO Wataru Laboratory

顔画像から感情価と活性度をセンシングするAIモデル


(Nomiya, Shimokawa, Namba, Osumi, & Sato: Sensors)


人工知能(AI)モデルは,顔画像から主観的な感情状態をセンシングできる.
最近の心理学研究から感情次元である感情価と活性度が表情と系統的に関連することが示されたが,実証データに基づいて顔画像からこれらの感情次元を推定するAIモデルは開発されていなかった.

我々は,顔画像から主観的な感情価と活性度をセンシングする再帰型ニューラルネットワークベースのAIモデルを開発した.
参加者の主観的な感情価/活性度状態と顔画像のデータベースを使用し,モデルを学習させた.
主観的な感情価/活性度を予測するモデルの妥当性は,一つ抜き交差検証によって裏付けられた.



さらに,参加者の感情価/活性度評定と顔動画のデータセットを分析することで,モデルの有効性を検証した.
モデルは毎秒の感情価と活性度の状態を予測し,予測性能は異なるアプローチに基づいて構築された商用AIモデルであるFaceReaderと同等だった.



我々は,顔の動画データを分析してリアルタイムで感情価と活性度の状態を表示するグラフィカルユーザーインターフェースを構築した.
このモデルをKKR Facial Affect Readerと名付け公開した.



我々のモデルは,顔の画像あるいは動画から感情価と活性度をセンシングする,実証データに基づいて開発された世界初の配布可能なAIモデルである.
メンタルヘルスのモニタリングやマーケティング調査など,多くの実用的な用途が期待される.


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