SATO Wataru Laboratory
高齢者における食物摂取時の主観-生理コヒーレンス
(Saito, Sato, Ikegami, Ishihara, Nakauma, Funami, Fushiki, & Yoshikawa: Nutrients)
背景:
感情の主観-生理コヒーレンスは幸福感の増進と関連すると考えられており,高齢者集団では感情の主観-生理コヒーレンスと優れた栄養状態との関係が示唆されている.
しかし,高齢者における摂食での感情の主観-生理コヒーレンスについて検討した研究はない.
そこで本研究では,高齢群と若年群の食物摂取時の感情の主観-生理コヒーレンスを比較した.
方法:
参加者は,多様なフレーバーのゲルタイプ食物を摂取して主観感情を評定し,同時に生理反応(皺眉筋・大頬骨筋・咬筋・舌骨上筋の筋電図とその他の自律神経系信号)を測定された.
結果:
主な結果は以下の通りである.
(1)高齢群と若年群において,好き・欲しい・感情価の評定は,皺眉筋の筋電図活動と負の相関があった.
(2)咬筋活動と欲しい・感情価の評定との正の相関は,若年群よりも高齢群で弱かった.
(3)活性度の評定は,高齢群のみで皺眉筋活動と負の相関があった.
結論:
これらの結果から,高齢群と若年群の間で,食物摂取時の感情の主観-生理コヒーレンスに共通性と差異があることが示される.
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