SATO Wataru Laboratory

高齢者における感情の心身コヒーレンスの変化


(Sato & Kochiyama: Sensors)


感情における主観経験と身体反応のコヒーレンスは,ウェルビーイングにポジティブな影響を及ぼすと考えられており,それは特に成人期後期において価値があるかもしれない.
感情映画に対する若年成人の主観的,行動的,生理的反応に関する先行研究では,感情の心身コヒーレンスが報告されている.
一方,高齢者における感情の心身コヒーレンスに関する研究はほとんどない.

本研究では,高齢者において,4つの感情映画クリップ(怒り,悲しみ,満足,楽しみ)と中性映画クリップに対して,感情価評定と行動反応(皺眉筋と大頬骨筋の筋電図)および活性度評定と生理指標(皮膚電気活動と指尖部温度)の間のコヒーレンスを調べた.

個人内相互相関分析により,怒り映画に対する感情価評定と皺眉筋活動との間のコヒーレンスは,高齢者のほうが若年成人よりも弱いことが明らかになった.
また怒り映画と満足映画を見ている間の活性度評価と皮膚電気活動および指尖部温度とのコヒーレンスにも年齢差が現れた;高齢者では負の相関が見られたが,若年成人では正の相関が見られた.





これらの結果から,高齢者と若年成人では,,感情の心身コヒーレンスが量的にも質的にも異なることが示唆される.


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