SATO Wataru Laboratory

無意識の不快感情処理は右半球優位


(Sato, W. & Aoki, S., 2006: Brain Cogn, 62, 261-266)



無意識の感情処理に右半球が関与するとされるが,知見は一致していない.

この問題を,閾下感情プライミングを片側視野呈示法と組み合わせることで調べた.
左視野あるいは右視野に,怒り表情・幸福表情・灰色一様画像が,不快・快・中性の感情プライムとして,短時間呈示された.
直後にモザイク画像がマスクとして呈示された.
続いて無意味な表意記号がターゲットとして呈示された.
課題は,ターゲットが好きか嫌いかという判断であった.

刺激が左視野に呈示された(右半球を刺激した)場合,不快プライムは快あるいは中性プライムに比べて,ターゲットに対する好きという反応を減少させた.
こうした結果は刺激が右視野に呈示された場合には示されなかった.

こうした結果は,無意識の不快感情処理は右半球優位であることを示す.




最近の研究にもどる
メインにもどる