SATO Wataru Laboratory
日本人におけるフィルムによる感情喚起
(Sato, W., Noguchi, M., & Yoshikawa, S.: Soc Behav Pers)
映画フィルムは感情を喚起する効果的な刺激である.
先行研究(Gross & Levenson, 1995)によって,特定の感情を喚起するためのフィルムセットが準備され,欧米における感情喚起の効果が調べられている.
本研究では,こうしたフィルムが日本人を対象として同じように感情を喚起するかどうかを調べた.
31人の日本人被験者が,特定の感情(楽しみ,怒り,満足,嫌悪,恐怖,中性,悲しみ,驚き)を喚起するフィルムを見て,感情経験を16の特定感情と2つの感情次元の尺度で評定した.

特定感情尺度の結果は,すべてのフィルムが顕著にターゲットの感情を喚起することを示した.
非ターゲットの感情を同時に喚起することもあった.
次元感情尺度の結果は,ほとんどすべてのフィルムが,理論的に妥当な感情価の感情を引き起こすことを示した.


こうした結果は,フィルムが普遍的な感情喚起のキャパシティを持つことを示唆する.
最近の研究にもどる
メインにもどる