SATO Wataru Laboratory

順・逆再生される動的表情に対する扁桃体の活動


(Sato, Kochiyama, & Yoshikawa: Brain Res)



表情を見ることで,いくつかの脳領域が活動する.
しかし,それらの領域の心理的機能は不明である.

この問題を検討するため我々は,恐怖と幸福の動的表情を,順・逆再生呈示した.
これにより,表情の視覚的特性は全体的に同等だが,感情的意味が変化した.
13名の被験者を対象として,fMRI計測した.
計測後,被験者は刺激を見たときの主観感情を,感情価と強度の尺度で評定した.



左扁桃体が,恐怖と幸福のどちらの表情においても,順再生に対して逆再生よりも強く活動した.
扁桃体の活動は,感情の強度と正の関係を示した.





こうした結果から,扁桃体が動的表情の視覚処理ではなく感情処理−特に主観感情喚起−に関与していることが示唆される.




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