SATO Wataru Laboratory
アスペルガー障害における意識下の視線注意シフトの障害
(Sato, Uono, Okada, & Toichi: Res Autism Spectr Disord)
共同注意の障害は,広汎性発達障害(自閉性障害やアスペルガー障害を含む)の中心症状をなす.
しかし,実験研究は,広汎性発達障害者において視線による注意シフトが示されると報告している.
我々は,広汎性発達障害者において,意識上ではなく意識下の視線による注意シフトに障害があると仮説を立てた.
この仮説を,アスペルガー障害群と統制群を対象として,閾上および閾下での視線手がかりパラダイムで検討した.
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閾上条件では,両群において,視線による注意シフトが示された.
閾下条件では,統制群と異なりアスペルガー障害群において,視線の注意シフトが示されなかった.
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こうした結果は,アスペルガー障害における意識下の共同注意の障害を示す.
こうした問題が,広汎性発達障害における対人相互作用の基盤となっているかもしれない.
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