SATO Wataru Laboratory
顔処理における下後頭回のすばやく高周波でシータ波と結合したガンマ波活動
(Sato*, Kochiyama*, Uono, Matsuda, Usui, Inoue, & Toichi (* equal contributors): Cortex)
脳画像研究は,顔に対して他の刺激よりも,下後頭回(IOG)が強く活動することを報告してきた.
しかし,顔処理におけるIOG活動の時間・周波数・機能特性は不明であった.
我々はこの問題を,顔・モザイク・家を正立・倒立で呈示しIOGの頭蓋内脳波を計測することで調べた.
時間周波数解析から,正立顔に対して正立モザイクおよび正立家よりも強いガンマ波活動が,110〜ms・40〜300Hzで示された.
位相振幅異周波数結合解析から,正立顔に対して正立モザイクおよび正立家よりも顕著なシータ波とガンマ波の結合が,115〜256msで示された.
正立顔と倒立顔では,約100〜200msのガンマ波は同等であったが,約200〜msでは活動の違いとシータ波との結合パタンの違いが示された.
こうしたパタンは,右IOGで左IOGよりも顕著であった.
こうした結果および他の脳領域間コミュニケーションの知見から,他領域から伝達されるシータ波を受けて,右IOGの広周波数帯のガンマ波が,すばやく多段階(部分処理も全体処理も)の顔処理を遂行することが示唆される.
最近の研究にもどる
メインにもどる