SATO Wataru Laboratory

自閉症スペクトラム障害の成人における被殻の体積増加

(Sato*, Kubota*, Kochiyama, Uono, Yoshimura, Sawada, Sakihama, & Toichi (* equal contributors): Front Hum Neurosci)



自閉症スペクトラム障害(ASD)では,大脳基底核の異常が示唆されている.
しかし,ASD群において大脳基底核の全体の体積を計測した研究の結果は不一致で,大脳基底核の下位領域(尾状核(caudate)・被殻(putamen)・側坐核(accumbens)・淡蒼球(pallidum))全ての体積を計測した研究はない.

我々は,29名の成人ASD群および29名の同年齢定型発達統制(CON)群を対象として,大脳基底核の下位領域を輪郭抽出してその体積を計測した.
T1強調MRI画像を撮像し,半自動的な輪郭抽出・体積計測を実施した.
全脳体積・性別・年齢は,共変量として影響を除外した.



ASD群で,CON群に比べて被殻の体積が大きいことが示された.



こうした結果は,被殻の構造的・組織学的異常が,常同行動や対人相互作用の問題といったASDの症状の基盤にあることを示唆する.


最近の研究にもどる
メインにもどる