SATO Wataru Laboratory
動的表情を処理する神経ネットワークの時空間ダイナミクス
(Sato*, Kochiyama*, & Uono (* equal contributors): Sci Rep)
動的表情は,自動的に多様な心のはたらきを喚起する.
しかし,その脳活動の時間特性および相互作用パタンは不明である.
我々はこの問題を,脳磁図を計測して調べた.
被験者は受動的に恐怖・幸福の動的表情・動的モザイクを観察した.
fMRI情報を活用した電流源再構成から,両側後頭葉・側頭葉において動的表情に対して動的モザイクよりも強い活動が,150-200msおよび後続の時間帯で示された.
右下前頭回では,動的表情に対する動的モザイクよりも強い活動が,300-350msの段階で示された.
動的因果モデリング解析から,動的表情が,二重視覚経路および視覚-運動経路を活性化することが示された.
フィードフォーワード結合とフィードバック結合は,200msの前と後にそれぞれ影響することが示された.
こうした結果から,数百ミリ秒以内に起こる神経ネットワークの並列的・階層的な相互作用が,動的表情を処理することが示される.
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