SATO Wataru Laboratory
顔処理における下後頭回と扁桃体の双方向電気的コミュニケーション
(Sato*, Kochiyama*, Uono, Matsuda, Usui, Usui, Inoue, & Toichi (* equal contributors): Hum Brain Mapp)
顔はコミュニケーションに重要な多重の情報を含む.
脳画像研究は,下後頭回や扁桃体などいくつかの脳領域における顔処理に特異的な活動を報告してきた.
こうした領域は,顔処理の神経ネットワークを構成すると想定されている.
しかし,こうした領域が顔処理において本当にまたどのように情報を伝えているかは,不明である.
本研究はこうした問題を,正立・倒立呈示された顔・家・モザイクを観察中の下後頭回と扁桃体の頭蓋内脳波データに動的因果モデリングを適用することで検討した.
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正立顔vs正立家および正立顔vs正立モザイクの効果を調べるモデル比較は一貫して,下後頭回と扁桃体の間に双方向の顔特異的な調整効果を持つモデルを最も支持した.
正立顔vs倒立顔のモデル比較でも,下後頭回と扁桃体の間の双方向の調整効果を持つモデルが支持された.
調整効果の周波数プロフィールは,同周波数(例えばガンマ-ガンマ)および異周波数(例えばシータ-ガンマ)結合を示した.
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こうした結果から,下後頭回と扁桃体が,効率的な顔処理のために様々な振動を用いてすばやく双方向にコミュニケーションすることが示唆される.
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