SATO Wataru Laboratory

動的表情処理のための広範で側性化された社会脳活動


(Sato*, Kochiyama*, Uono, Sawada, Kubota, Yoshimura, & Toichi (* equal contributors): Hum Brain Mapp)



動的表情は,日常の社会的コミュニケーションにおける自然で力強い媒体である.
多くの脳画像研究が動的表情を処理する神経メカニズムを調べ,いくつかの領域(例えば扁桃体)の活動を報告してきた.
しかし,活動領域は不一致で,その側性化は評価されていなかった.

この問題を調べるため我々は,比較的多くの参加者(51人)を対象として,怒り・幸福の動的表情および動的モザイク画像を観察中の脳活動をfMRIで計測した.

動的表情の観察は動的モザイクに比べて,両側後方領域(上側頭溝など),辺縁系(扁桃体や腹内側前頭前野),右下前頭回と左小脳を強く活動させた.



側性化の解析から,上側頭溝と下前頭回における右半球優位,小脳における左半球優位が示された.



こうした結果から,動的表情を処理する神経メカニズムが,広範な知覚・感情・運動関連の社会脳領域を含み,言語ネットワークのように側性化されていることが示唆される.


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