SATO Wataru Laboratory
眉と咀嚼の筋活動は食物摂取中の主観的な感情経験をセンシングする
(Sato, Ikegami, Ishihara, Nakauma, Funami, Yoshikawa, & Fushiki: Nutrients)
生理的信号で食物摂取中の感情経験をセンシングすることは，実用的・理論的に重要である．
最近の生理心理学研究は，皺眉筋から測定された筋電図が，固形食物の摂取中に，好き・食べたい・感情価の評定と負の関連があったことを報告した．
しかしその研究の手続きは，生理データ計測中の咀嚼を防ぐもので，自然な摂食における感情経験と咀嚼関連の筋活動との関連が調べられていない可能性がある．
我々はこの問題を，多様なフレーバーのゲルタイプ固形食物を摂取中の，主観評定（好き・食べたい・感情価・活性度）および生理信号（皺眉筋・大頬骨筋・咬筋・舌骨上筋の筋電図など）を計測することで検討した．
好き・食べたい・感情価の評定は，皺眉筋筋電図と負の相関があり、咬筋および舌骨上筋の筋電図と正の相関があった．
こうした知見から，食物摂取中の主観感情経験が眉と咀嚼の筋活動信号を使用してセンシングできることを示唆する．
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