SATO Wataru Laboratory

僧帽筋筋電図と指尖部温度を用いた感情ダイナミクスセンシングの探究


(Sato & Kochiyama: Sensors)


主観的な感情のダイナミクスに関連する生理学的信号を探究することには,実用的な意義がある.
これまでの研究で,主観的な感情価と活性度のダイナミクスは,それぞれ表情筋筋電図(EMG)や皮膚電気活動(EDA)を用いて評価できることが報告されている.
しかし,他の指標で感情ダイナミクスを評価できるかどうかは不明である.

この問題を調べるために,僧帽筋の筋電図と指尖部の温度を調べた.
参加者(n = 30)が感情的な映画クリップを視聴している間,これらの指標および,皺眉筋・大頬骨筋のEMG,手掌のEDA,主観的感情価・活性度の連続評定を記録した.
個人内の主観-生理関連は,相関分析,線形回帰モデルおよび多項回帰モデルを用いて評価した.

その結果,感情価評定は皺眉筋および大頬骨筋のEMGと線系に関連した.
しかし,僧帽筋EMGは線系にも非線形にも関連しなかった.
活性度評定は,EDAおよび指尖部の温度と線形に関連したが,僧帽筋EMGとは線形にも非線形にも関連しなかった.







これらのデータから,主観的活性度ダイナミクスを評価するために指尖部温度が利用できることが示唆される.


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