SATO Wataru Laboratory

アンドロイドの感情表現におけるマルチモーダル優位性


(Sato, Shimokawa, Namba, & Minato: Int J Soc Robot)


マルチモーダルな感情表現は,現実のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしている.
先行の心理学的研究から,発話内容・声調・表情の3モダリティを使用する感情表現が,1または2モダリティのみを使用する場合よりも優位であることが報告されている.

ロボットはヒトと相互作用することが期待されているが,ロボットの感情表現においてマルチモーダルな優位性が観察されるかどうかは不明である.

本研究では,アンドロイドのニコラを用いてこの問題を調べた.
ニコラが対面状況において,発話内容・声調・表情で1・2・3モダリティを用いて,不快と快の感情を表現した.
参加者は,感情価とヒトらしさについて評定した.



ニコラの3モダリティ感情表現は,1および2モダリティの場合よりも感情的であると評価された.
また3モダリティ感情表現は,1および2モダリティの場合よりもヒトらしいと評価された.



こうした結果から,ロボットのマルチモーダルな感情表現が,より感情的でヒトらしい印象を伝えることが示唆される.


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