SATO Wataru Laboratory

ロボットによる発話つきタッチは快感情を強める


(Sawabe, Honda, Sato, Ishikura, Kanbara, Yoshikawa, Fujimoto, & Kato: Sci Rep)


優しいタッチは,快なケア効果を生み出す,人間同士の交流に欠かせない要素である.
これまでのロボット研究から,ロボットが人と同様に快の感情反応を引き出す優しいタッチを再現できることが示されている.
しかし,ロボットが,マルチモーダルにタッチと発話を組み合わせることで快感情効果を高めることができるかは,不明であった.
本研究は,ロボットによるタッチと発話を組み合わせるマルチモーダルなインタラクションが,快の感情反応を高めるという仮説を支持する.

我々は,発話を伴って優しくタッチできるロボットアームを用いた実験で,タッチのみ・発話のみ・発話つきタッチの3つの条件を比較した.
被験者の主観的な感情反応として,感情価.活性度・人間らしさの評定を査定した.
さらに生理的な感情反応として,皺眉筋と大頬骨筋からの筋電図(EMG)および皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を測定した.



その結果,発話つきタッチに対してタッチのみに比べて,感情価や活性度評定が高く,大頬骨筋EMGやSCLの活動が強いことが示された.





こうした結果から,ロボットによるタッチの快感情効果は,発話を組み合わせることで強めることができると示唆される.


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