SATO Wataru Laboratory
空腹は高脂肪食の検出を促進する
(Sawada, Sato, Minemoto, & Fushiki: Appetite)
食物の効率的な検出は,生物の生存にとって重要である.
先行の実験研究は一貫して,食物が非食物よりもすばやく検出されることを示している.
さらに,脂肪分が食物のすばやい検出を調整する.
しかし,そうした脂肪分への感度のよさが,被験者の内的状態により調整されるかは不明である.
こうした問題を調べるめ我々は,空腹あるいは満腹の状態の被験者を対象として,高脂肪食(ファーストフード)・低脂肪食(日本食)・非食物(台所用具)を妨害刺激(車)の中から検出するという視覚探索課題における反応時間を計測した.
その結果,空腹・満腹どちらの群でも,食物の検出の反応時間は非食物の場合よりも短かった.
空腹群では,高脂肪食が低脂肪食よりも早く検出された.
一方,満腹群では,高脂肪食と低脂肪食の反応時間に差はなかった.
こうした結果から,食物は満腹でも我々の注意をひきつけること,脂肪分による感度向上は空腹で起こること,が示唆される.
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