SATO Wataru Laboratory

ヒトのアフェクトーム


(Schiller et al.: Neurosci Biobehav Rev)


ここ数十年,感情科学という学際的な分野では,理論的な視点が統合されるよりもむしろ拡散してきた.
これは人間の感情現象(感情とは何か,どのようにはたらくのか)に対する形而上学的・機械論的な前提の違いによるもので,学問的な動機や価値観によって形成され,感情の構成要素や運用を決定してきた.
感情現象の目的に関する仮定は,人間の感情研究の枠組みである形而上学的・機械論的な共通の仮定を構築するための,目的論的な原理として用いることができる.
本論文は,特集号「ヒトのアフェクトームの統合的理解に向けて」の基礎となる論文であり,ヒトの感情現象の段階的な目的を集め,ヒトの感情現象を総体的に説明する仮定を統合する.
この目的論に基づいた枠組みは,既存の視点を整理し,新しい視点を生み出すための原則的なアジェンダと出発点を提供する.
最終的には,ヒトのアフェクトームが人間の感情現象を統合的に理解するだけでなく,感情研究の統合的なフィールドに一歩でも近づけることを願う.


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