SATO Wataru Laboratory
広汎性発達障害における恐怖表情の認識障害とその非定型的発達
(Uono, Sato, & Toichi: Soc Neurosci)
いくつかの研究は,広汎性発達障害における表情認識の障害を報告しているが,知見は不一致である.
我々は,28名の広汎性発達障害群および28名の定型発達統制群を対象として,表情認識と年齢,顔認識,症状との関係を検討した.
広汎性発達障害群において,恐怖表情の認識低下が示された.
年齢と恐怖表情の認識とは,定型発達統制群では直接的にまた顔認識の発達を通じて間接的に正の関係にあったが,広汎性発達障害群ではそうした関係が示されなかった.
広汎性発達障害群において,恐怖表情の認識低下と対人症状の重篤度との間に関係が示された.
こうした結果は,広汎性発達障害者における非定型的な表情認識の発達過程を示す.
また,恐怖表情認識の障害が対人的問題に関係することが示唆される.
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