SATO Wataru Laboratory
被殻体積は恐怖表情の認識能力と負の相関を示す
(Uono, Sato, Kochiyama, Kubota, Sawada, Yoshimura, & Toichi: Brain Topogr)
先行の機能的磁気共鳴画像(MRI)研究と損傷研究の結果から,大脳基底核−特に被殻−が,表情の認識に関与することが示唆される.
しかし,被殻構造の変動が表情認識能力の個人差を反映するかどうかは明らかではない.
本研究では,50人の日本人健常成人を対象として,構造的MRIで被殻の体積と形態を測定し,6基本感情の表情の認識能力を査定した.
両側被殻の体積は,恐怖表情の認識と負の関係を示した.
両側被殻の前方および後方の領域−それぞれ認知・感情と運動に関わるとされている−の局所形態は,同様に恐怖表情の認識と負の関係を示した.
こうした結果から,被殻構造の個人差が,他者の恐怖表情の認識能力を予測することが示唆される.
さらに,この処理に認知・感情と運動の処理が関与することが示唆される.
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