SATO Wataru Laboratory

下後頭回と紡錘状回における顔処理のガンマ波活動の時間特性:fMRI+MEG研究


(Uono, Sato, Kochiyama, Kubota, Sawada, Yoshimura, & Toichi: Hum Brain Mapp)



顔処理の第一段階を担うのが下後頭回(IOG)か紡錘状回(FG)か,またこうした領域がどのような役割を果たすのか,議論が続いている.

我々はこの問題を,健常成人を対象として,fMRIとMEGを組み合わせて調べた.
被験者は,正立・倒立の顔・家を受動的に観察した.
まずfMRIで,顔に対して活動する下後頭回と紡錘状回の領域を同定した.
MEGについてビームフォーミング電流源再構成と時間周波数解析し,これらの領域におけるガンマ波活動の時間特性を明らかにした.



その結果,右下後頭回において,正立顔に対して正立家よりも高いガンマ波活動が,約100msで示された.
続いて右紡錘状回において,正立顔に対して正立家よりも高いガンマ波活動が,約170msで示された.
後続の段階で,右下後頭回と右紡錘状回のガンマ波活動において,倒立顔に対して正立顔よりも高い活動が示された.




こうした結果から,顔に対するすばやいガンマ波活動がまず下後頭回で続いて紡錘状回で起こること,これらの領域での後続ガンマ波活動が顔の布置処理に関与すること,が示唆される.


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