SATO Wataru Laboratory

統合失調症傾向は表情検出の困難さと関係する


(Uono, Sato, Sawada, Kawakami, Yoshimura, & Toichi: R Soc Open Sci)


統合失調症あるいは統合失調症傾向の個人は,表情認識に障害を持つ.
しかし,表情検出に問題があるかは不明である.

本研究は,表情検出のパフォーマンスが,健常群の中の統合失調症傾向と関係あるかどうかを,性別・年齢・知能の要因を統制して調べた.
参加者は,中性表情の中から,通常の怒り・幸福の表情あるいは統制刺激である逆表情を検出した.


怒りと幸福の通常表情は,逆表情より早く検出された.
統合失調症傾向の度合いは,通常表情vs逆表情の検出の効率性と,負の相関を示した.
表情認識課題では,陽性の統合失調症傾向の度合いは,表情認識の正確性と負の相関を示した.



こうした結果から,統合失調症傾向の高い個人は,表情を検出し認識することに問題があることが示唆される.


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